ビッグデータ解析の進化で占い師は廃業か

安く確実な将来予測が可能になれば、そんな診断を受けてみたいと思いますよね。

消費情報や医療情報などのビックデータが占い師を廃業に追い込むかもしれません。

ビックデータとは、人々の行動履歴を蓄積した膨大なデータのことです。

情報処理の技術が未熟なときは、膨大なデータがあっても解析をすることができませんでした。

しかし、ICT技術の進歩で膨大なビックデータを個人の将来予測に役立てることができるようになっています。

例えば、コンビニでの買い物から健康診断時の履歴まで、あらゆるデータを蓄積して解析をすれば、食べ物の嗜好や生活習慣から成人病になる時期をピタリと予測可能になるかもしれないのです。

また、自動車に呼吸や血圧などの生体データを感知するセンサーを付けてネットワークにつなげば、天候や交通量などの情報と総合して、今日の事故が起きる確率を表示することもできそうです。

朝出かける前に「今日のあなたの交通事故確率は100%です」とか表示されたら、慌てて電車通勤に切替えますよね。

こうなるとテレビの情報番組でやっているような占いは、当たる精度が悪すぎて廃れていくでしょう。

占い師に安くは無い鑑定料を支払って占ってもらうよりも、安価で客観的データに基づいたビックデータ解析の診断を受ける方が的中率が高くなります。特に疾病予測などは顕著です。

そうなれば感覚で占う鑑定への期待というものの需要は激減する可能性もあるのです。

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また、事故を起こしやすい人のパターンも解析されるので、そういう傾向がある人に提示される自動車保険の料金は割高に算出されるということは起こりそうな話です。

医療の分野では、ビックデータ解析から性別や年齢から生活習慣まで考慮した治療法が確立されるので、薬の効き目が劇的に向上する可能性もあります。

こうしたバラ色の予測ばかりならいいのですが、あまり嬉しくない情報も解析されてしまうリスクもあります。

会社の採用試験で中途退社する確率、結婚をする際に浮気をする確率をビックデータ解析の情報と照合され、自分の把握できないところで確率論から不利益な判断をされてしまう可能性もあるわけです。

努力次第で改善できる問題が最初から門前払いされてしまうことにもなり、データ至上主義というものが世の中を支配するのはあまり居心地がよいものではないかもしれません。

そうなると個々の企業が収拾したビックデータを組み合わせて活用することに、一定の制限を設けることも考えなくてはなりません。

ビックデータを巡る問題は奥が深いものですね。

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